押さえておきたい!日本の税金解説32相続⑮ 新制度「財産債務調書」

平成26年の相続税対象者

 日本の平成26年の死亡者数は、1273004人で、このうち相続税の課税対象者になった被相続人は56239人でした。日本における相続税の課税対象割合は、4.4%となっています。被相続人1人あたりの課税価格は、2407万円で、相続税額は2473万円でした。相続財産の種類別構成割合は、土地が約42%、家屋が約5%、現金・預貯金等が約27%、有価証券が約15%、その他財産が約11%となっています。平成27年は、相続税の基礎控除が引下げられた影響で課税対象者は一気に増える見込みです。相続税は、皆様にとって身近な税金になっています。なお、国税庁発表の平成26事務年度相続税の税務調査状況を図1に掲載しましたのでご参照ください。

【図126事務年度相続税の税務調査状況

平成26事務年度

実地調査件数

12406

申告漏れ等の非違件数

10151

重加算税賦課件数

1258

申告漏れ課税価格

3296億円

追徴税額

670億円

富裕層に関係

従来、年間の所得が2千万円以上の人は、10万円以上の財産や債務の細目や価額などを記載した「財産債務明細書」を作成し、確定申告書に添付する必要がありました。2016年からは「財産債務明細書」の名称が「財産債務調書」に変わり、提出対象者や記載内容も変わります。具体的には、提出対象者は、これまで所得が2千万円以上の人だったのが、所得2千万円以上かつ財産の価額が3億円以上か金融資産の価額が1億円以上の人に変更されました。また、記載内容もこれまで財産の種類、数量及び金額を記載するだけだったのが、調書では、不動産、現金、預貯金、有価証券、貸付金などに加えて、書画骨董品、貴金属品、リゾート施設の会員権なども記載対象になっています。また、各財産については、事業用か否か、不動産の面積や戸数、有価証券の銘柄・価額・所在などを詳細に記載する必要があります。記載内容が今まで以上に詳細かつ具体的になることで税務当局は富裕層の資産状況を正確に把握することが可能になります。