押さえておきたい!日本の税金解説40 非居住者金融口座情報の自動情報交換制度②

口座情報収集

日本において平成2911日以後に銀行や証券会社等(報告金融機関)を通じて預貯金の預入等を内容とする取引(特定取引)を新規に行う者は、氏名・住所・居住地国・外国の納税番号等の必要事項を記載して、新規届出書を報告金融機関に提出する必要があります。この新規届出書は,日本の国税庁が非居住者の金融口座情報を収集するために提出するものですが、日本の居住者についてもこれを提出する必要があります。ただし,日本の居住者が届出書に記載した情報や口座情報については、国税庁に報告されることはなく,金融機関に留置きされます。一方、平成281231日以前に報告金融機関に口座開設等をしている既存口座については、居住地国に変更があった場合には異動届出書を提出し、また、金融機関からの要請などがあった場合には任意届出書の提出が必要となります(図1参照)。

【図1口座情報の取扱い】

事例

必要書類

国税庁への報告

居住者

口座開設(平成281231日以前)

なし(*)又は任意届出書の提出

金融機関に留置き

口座開設(平成2911日以後)

新規届出書の提出

金融機関に留置き

居住地国の異動

異動届出書の提出

国税庁へ報告

非居住者

口座開設(平成281231日以前)

なし(*)又は任意届出書の提出

国税庁へ報告

口座開設(平成2911日以後)

新規届出書の提出

国税庁へ報告

居住地国の異動

異動届出書の提出

国税庁へ報告

*金融機関自ら口座保有者の居住地国の特定を行う予定ため

マイナンバー提供不要

日本の居住者が新規届出書を提出する場合、居住地国には「日本」と記載し、マイナンバー(個人番号)の記載は不要となります。これについては、金融機関等に新規口座を開設する場合は,任意でマイナンバーの記載を求められることになっていますが、非居住者金融口座情報の自動情報交換制度は,マイナンバー制度とは切り離された制度として位置付けられているため、平成301月以降の場合でも、本制度ではマイナンバーを記載する必要はないもようです。

富裕層

富裕層については、平成26年1月施行の「国外財産調書」,平成27年7月施行の「国外転出をする場合の譲渡所得等の特例」,平成28年1月施行の「財産債務調書」、さらに、今回の自動情報交換制度により富裕層に対する課税環境は整いつつあります。また、平成26年7月からは東京、大阪、名古屋の各国税局内に富裕層向けのプロジェクトチームが設置されており、富裕層に関する情報収集や調査事案の企画に着手しています。