押さえておきたい!日本の税金解説41 非居住者金融口座情報の自動情報交換制度③

CRS

外国の金融口座を利用した国際的な脱税及び租税回避等に対処するために、OECDが公表した「共通報告基準(CRSCommon Reporting Standard)」により、各国の税務当局は、それぞれ自国に所在する金融機関(1)から非居住者(個人・法人等)に係る金融口座情報(23)の報告を受け、これを租税条約等の情報交換規定に基づき、各国税務当局と自動的に情報を交換します。現在、日本を含む100以上の国・地域が平成29年又は30年からこの共通報告基準に従った情報交換を開始することを表明しています。

1.報告義務を負う金融機関

銀行等の預金機関、生命保険会社等の特定保険会社、証券会社等の保管機関及び信託等の投資事業体

2.報告対象口座

普通預金口座等の預金口座、キャッシュバリュー保険契約・年金保険契約、証券口座等の保管口座及び信託受益権等の投資持分

3.報告対象情報

口座保有者の氏名・住所(名称・所在地)、居住地国、外国の納税者番号、口座残高、利子・配当等の年間受取総額等

国税庁への初回報告

本制度により、日本の税務当局は、金融機関から報告を受けた日本の非居住者の金融口座情報を各国の税務当局に提供します。一方で、外国に金融口座を所有する日本居住者の金融口座情報も各国の税務当局から日本の税務当局へ提供されます。日本の金融機関による国税庁への初回の報告期限は、平成30430日です。初回報告の対象者は、平成2911日以後に報告金融機関を通じて預貯金の預入等を内容とする取引(特定取引)を新規に行う方、および個人の既存口座で特定取引契約資産額が100USD超の方が初回報告の対象になります。個人の既存口座で特定取引契約資産額が100USD以下の方、および法人の既存口座については、情報の特定が済んでいれば初回から報告されますが、済んでいなければ次の報告からとなります。

個人休眠口座・法人既存口座

個人の既存口座については、口座開設以降、平成29年1月1日以前3年以内に払出し等の取引がなく、特定取引契約資産額が1,000USD以下などの要件に該当する休眠口座は、情報の特定及び報告対象から除外されます。また、法人既存口座については、特定取引契約資産額が25万USD以下の場合には、情報の特定及び報告対象から除外されます。よって、これらの要件に該当する場合には、日本の国税庁及び外国税務当局間での情報交換は行われません。ただし、法人既存口座については、平成29年1月1日以降でその年の12月31日において25万USDを超えた場合には、金融機関は情報を特定し、その年の翌年の12月31日までに情報の特定、報告を通して情報交換が行われます。