押さえておきたい!日本の税金解説4

日本の相続税④

相続税の税制改正は、基礎控除額が減額されたり、最高税率が50%から55%に引き上げられるなど課税範囲の拡大と課税強化の改正となっております。一方、贈与税については、高齢者から若年世代への財産の早期移転の促進という観点から、様々な特例や特典が用意される改正となっています。したがって、相続税対策の一環としても贈与税を考察することは重要な意味があると思います。そこで、以下では日本の贈与税の改正のなかで押さえておきたいポイントを解説したいと思います。

孫への教育資金ならば1人1,500万円まで非課税

受贈者(30歳未満の者に限ります)の教育資金に充てるためにその直系尊属が金銭等を拠出し、金融機関(信託会社、銀行及び金融商品取引業者(第一種金融商品取引業を行う者に限ります)をいいます)に信託等をした場合には、信託受益権の価額又は拠出された金銭等の額のうち受贈者1人につき1,500万円(学校等以外の者に支払われる金銭については、500万円を限度とします)までの金額に相当する部分の価額については、平成25年4月1日から平成27年12月31日までの間に拠出されるものに限り、贈与税を課さないこととしました。ただし、この特例を受ける場合には、要件などあり、また、受贈者が30歳に達した日に非課税拠出金から教育資金支出額を控除した残額があった場合、その残額に贈与税が課せられますのでご注意ください。

相続時精算課税制度とは

保有資産の移転に当たっては、相続税と贈与税の税率構造が異なるため、生前贈与するよりも相続時に相続税を支払う方が納税額が少額になるケースがあります。世代間の資産移転を後押しする目的で贈与税の暦年型課税制度との選択制で、生前に行った贈与については、相続時に相続財産として精算する相続時精算課税制度が平成15年に導入されました。これは、贈与税を計算する場合、贈与財産の金額から2,500万円までを控除する内容となっています。例えば、1,000万円を贈与で受取った場合、相続時精算課税を選択するとその年の贈与税はゼロとなります。特別控除額の残額2,500万円-1,000万円=1,500万円を翌年以降の贈与財産から控除できます。贈与財産の合計額が2,500万円を超える場合は、その超過額に対して20%の贈与税がかかります。 税制改正では、この制度の適用対象者の範囲を拡充しています。具体的には、受贈者の対象を改正前は20歳以上の推定相続人である直系卑属のみであったものに「20歳以上の孫」を新たに追加しています。さらに、贈与者の年齢要件が65歳以上から「60歳以上」へと引下げられました。これは、平成27年1月1日以後贈与により取得する財産に係る贈与税について適用されます。ただし、この制度を選択すると申告が必要になるなど様々な要件が加えられます。また、従来の暦年型課税制度に戻ることはできませんのでご注意ください。

マイホーム資金援助は最高1,200万円まで非課税

これは、贈与を受けた年の1月1日現在の年齢が20歳以上で、合計所得金額が2,000万円以下であるなどの要件を満たす者が父母、祖父母などの直系尊属から一定要件を満たす住宅の新築、取得又は増改築等のために金銭の贈与を受け、全額をそれらに充て、贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住するか、遅滞なく居住する見込みである場合、贈与を受けた金額のうち、平成25年度中は1,200万円、平成26年中は1,000万円まで贈与税を課税しないという制度です。