押さえておきたい!日本の税金解説7

日本の相続税⑦

相続については、先祖代々受け継いできた土地などを守り、財産を縮小させないために長男などが多めに財産を相続する場合や引き継ぐ財産を均等に相続する場合などそれぞれの事情によって相続のあり方もかわってきます。ただ、親族間のトラブルで「相続」が争いに発展する「争続」になる場合も多々見受けられます。このような問題が起こる前に事前の対策を準備することが必要になると思われます。

争続対策

「争続」対策としては、財産を分割しやすい形にしておくことが重要だと思います。例えば、不動産が自宅だけという場合は難しいと思いますが、複数の不動産を所有している場合は、不動産を分けやすい形にしておいたり、不動産ではなく現預金として保有することも考えられます。また、遺言書を作成しておくことも重要だと思います。相続でもめて調停や審査手続きになった場合には、原則として法定相続分で財産を分けることになります。仮に特定の人に多めに財産を残したい場合は、遺言書に書いておけば、その遺言内容が優先されます。

節税対策

相続税の節税対策として重要となるのは、相続財産を減らすことです。特に生前贈与を活用することは有効な相続税の節税対策になります(贈与には贈与税がかかります)。また、土地を多く持っている場合は、「小規模宅地等の評価減の特例」を活用することも有効な対策となります。

納税対策

相続税の納付期限は、申告期限と同じく相続の発生を知った日の翌日から10か月です。相続税の納付は、原則として現金納付ですが、納税資金が足りない場合には、分割払いで相続税を納める延納制度や、現物で納める物納制度を利用することができます。ただ、延納の場合、利子税がかかります。また、物納の場合は、却下される可能性もあります。そのため、納税対策としては、現金化しやすい財産を準備しておくことが必要です。例えば、生命保険に加入し死亡時に現金を受取れるようにしておく方法もあります。

国際相続(香港)

香港には日本の相続税に相当する遺産税や贈与税がありません。日本人が香港に移住した後、その方が亡くなり相続が発生した場合(亡くなった方を「被相続人」と呼びます)、香港に所在する遺産については、原則としてProbate手続きを経なければ名義書換えができない場合があります。これについては、被相続人が香港に移住している場合、どこの国の法律により相続を整理するのかという問題が生じる可能性があります。例えば、被相続人が日本国籍である場合、日本の国際私法では、被相続人の国籍である日本の民法により相続を整理することが可能です。しかし、香港の法律では被相続人の本拠地の法律により相続を整理するとされています。このように日本人が香港に移住している場合には、どこの国の法律で相続を整理するのかという問題が生じる場合があります。