押さえておきたい!日本の税金解説26
相続⑪ マイナンバー制度①

マイナンバー制って?

 マイナンバー制度は、(1)行政を効率化し、(2)国民の利便性を高め、(3)公平・公正な社会を実現する社会基盤(インフラ)の整備を図ることを目的として導入されます。マイナンバーは、国民1人ひとりが持つ12桁の個人番号で、社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用されるものです。

 期待する効果としては、次の3つがあげられます。1つ目は、行政手続が正確で早くなります。行政機関や地方公共団体などで様々な情報の照合や入力などに要していた時間や労力が大幅に削減され、連携が進むことでムダが削減されます。また、災害時の被災者台帳の作成などにマイナンバーを活用し、行政支援が実施されます(行政の効率化)。2つ目は、年金や福祉などの申請で、書類の添付が減るなど、面倒な行政手続が簡単になります。また、行政機関が持っている自分の情報を確認したり、行政機関から様々なサービスのお知らせを受け取ったりできるようになります(国民の利便性の向上)。3つ目は、年金などの社会保障を確実に給付し、不正受給を防止します。所得把握の正確性が向上し、適正・公正な課税につながります。また真に手を差し伸べるべき人への積極的な支援に活用されます(公平・公正な社会の実現)。

マイナンバーの利用範囲

 平成28年1月から社会保障、税、災害対策の行政手続で利用されます。但し、法律や条例で定められた行政手続でしか利用できません。

マイナンバーの利用範囲.gif

導入スケジュール

 住民票所在地の市区町村長から、今年の10月より順次「通知カード」が送付されます。中長期在留者や特別永住者などの外国人にも通知されますが、逆に海外赴任などで日本に居住していない(住民登録されていない)人には、マイナンバーが付番されず、日本に帰国し住民登録時に番号が付番されます。尚、原則としてマイナンバーは生涯かわりません。そして、平成28年1月から、申請により「個人番号カード」が交付されます。個人番号カードは、表面に氏名・住所・生年月日・性別(基本4情報)と顔写真、裏面に個人番号(12桁)が記載されます。本人確認のための身分証明書として使用できるほか、自治体などが条例で定めるサービスやICチップに搭載された電子証明書を用いて、e-Taxなどの電子申告等にも利用できます。また。法人には1法人1つの法人番号(13桁)が指定され、平成27年10月より順次通知・公表されます。

制度懸念への対応

 マイナンバー導入への懸念に対応するために、制度面とシステム面での措置が講じられています。制度面では、法律で規定があるものを除いて、マイナンバーを含む個人情報を収集したり、保管したりすることを禁止していますし、法律に違反した場合の罰則も、従来より重くなっています。また、平成29年1月からはマイポータル(情報提供など記録開示システム)を使って、インターネットで個人情報のやりとりの記録が確認できるようになる予定です。マイナンバーを含む自分の個人情報をいつ、誰が、なぜ提供したのかを確認できるほか、個人情報の内容を確認したり、電子的に手続を行ったり、添付書類が削減できる機能が入る予定です。

民間企業での取り扱い

 民間企業でもマイナンバーを取り扱うことになります。民間企業では従業員の健康保険や厚生年金の加入手続、従業員の給料から源泉徴収して税金を納めたり、証券会社や金融機関でも利息・配当金・保険金等の税務処理を行っています。これらの手続を行うためにマイナンバーが必要となり、企業や団体に勤めていたり、金融機関と取引がある人は、勤務先や金融機関に本人や家族のマイナンバーを提示する必要があります。