押さえておきたい!日本の税金解説27
相続⑫ マイナンバー制度②

マイポータル(情報提供など記録開示システム)

 マイナンバー制度が導入されると、証明書などの提出が省略できるなど、面倒な手続きが簡単になります。具体的には、国民年金保険料の免除や、児童扶養手当の支給、高額療養費の支給決定などにおいて、書類提出が省略できるようになります。

 また、平成29年1月からはマイポータル(情報提供など記録開示システム)と呼ばれるWEBページが開設され、自宅に居ながらパソコンを使って自分の情報が確認できるようになる予定です。マイナンバーを含む自分の個人情報をいつ、誰が、なぜ提供したのかを確認できるほか、個人情報を確認したり、電子的に手続を行ったり、添付書類が削減できるようになります。また、予防接種や健康診断の通知が行政から届くなど、公的サービスの向上も期待されています。

個人番号カードの利用

 今年の10月より住民票所在地の市区町村長から、順次「通知カード」が送付され、平成28年1月から、申請により「個人番号カード」が交付されます。個人番号カードは、本人確認のための身分証明書として使用できるほか、自治体のサービスや、電子申告等にも利用できます。

 一方、個人番号カードを身分証明書として利用する際には注意も必要です。身分証明書として利用できるのは、個人番号カードの表面(氏名、住所、生年月日、性別(基本4情報)と顔写真が掲載)のみで、裏面には個人番号が掲載されていますので身分証明書としては利用できません。個人番号は、法律や条例で定められた社会保障、税、災害対策の行政手続でしか利用できないからです。レンタル店などの入会時に身分証明書として個人番号カードを提示する場合は、ご本人も注意が必要です。

マイナンバー制度への懸念への対応

 マイナンバー制度が導入され、個人情報が外部に漏れたり、他人のマイナンバーのなりすましが起こるのでは、などの懸念の声も上がっています。これに対応するために、制度面とシステム面での措置が講じられています。

 制度面では、法律で規定があるものを除いて、マイナンバーを含む個人情報を収集したり、保管したりすることを禁止しています。法律違反した場合の罰則も、従来より重くなっています。またシステム面では、行政機関で個人情報を一元管理するのではなく分散管理を実施するなどの措置が講じられます。

民間企業での取り扱い

 民間企業でもマイナンバーを取り扱うことになります。民間企業では従業員の健康保険や厚生年金の加入手続、従業員の給料から源泉徴収して税金を納めたり、証券会社や金融機関でも、利金・配当金・保険金等の税務処理を行っています。これらの手続を行うためにマイナンバーが必要となり、企業や団体に勤めていたり、金融機関と取引がある人は、勤務先や金融機関に本人や家族のマイナンバーを提示する必要があります。 また、外部の方に講演や原稿の執筆を依頼し報酬を支払う場合、報酬から税金の源泉徴収をしなければならず、こうした外部の方からもマイナンバーを提供してもらう必要があります。

 マイナンバー制度導入まで秒読みとなり、各企業では、マイナンバー等の特定個人情報の安全管理措置(情報漏洩を防ぐための措置)を行うために、対象業務を洗い出した上で、組織体制や個人番号利用開始までのスケジュールの整理など対策・対応方針を検討し、準備を進めていく必要があります。